無菌病棟より愛をこめて

加納朋子 文藝春秋 2012年3月

無菌病棟より愛をこめて/加納 朋子
¥1,733
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2010年6月、私は急性白血病だと告知された。愛してくれる人たちがいるから、なるべく死なないように頑張ろう。たくさんの愛と勇気、あたたかな涙と笑いに満ちた壮絶な闘病記。


加納朋子さんの新刊が、闘病日記、それも白血病と知り、非常に驚いている。

体の調子が悪くても、まずはスーパーの買い出しに行かなきゃとか、家事ができないから義母に来てもらうのに、その前には家の中を掃除しなきゃとか、私たちと同じ普通の主婦なんだなとその行動に親近感を抱いた。

作者の優しい文章は、今まで同様で、ユーモアを交えて描かれている部分もあるが、それはそれはつらい日々だったことだろう。

病気と闘うことだけでも並大抵のことではないだろうに、病気になり、通常行っているような妻として親としての行いができないことの思い、とくに子どもへの思い・・・・・・・・つらいだろうな。

家族の人たちは、病気のことを調べ、移植手術のことも頭に入れている。弟さんは、ドナーになる可能性を考え、早い時期から禁酒。
また、何度となく足を運び、少しでも元気が出るように食べられるようなものを持ってきてくれたり、身の回りのものを届けてくれたり・・・・・暖かい人たちだ。


頑張って体操している姿に、患者さんや看護婦さんに、「どうしてそんなに元気なの」といわれるほど。作者がまじめな性格であり、治りたいという一心から、無理をしてでもがんばって体操や運動をしていたのんだろうな。


作者がまわりの人への感謝の気持ちを忘れず前向きに病気に立ち向かう姿、家族や友人が暖かく接している姿に、ただただ感動した。

少しでも病状がよくなることを祈っています。


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