マスカレード・ホテル

東野圭吾 集英社 2011年9月

マスカレード・ホテル/東野 圭吾
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都内で起きた不可解な連続殺人事件。次の犯行現場は、超一流ホテル・コルテシア東京らしい。殺人を阻止するため、警察は潜入捜査を開始し・・・。1行たりとも読み飛ばせない、東野ミステリの最高峰。

超一流ホテル・コルテシア東京に潜入捜査をすることになり、新田は、フロントに。ホテルマンの尚美は、捜査員新田の教育、指導、仕事の補助を命じられる。

ホテルにはさまざまなお客が来るのだなあと思う。そのお客様を快適な気分にさせるように努める尚美のホテルマンとしての仕事ぶりが見事だ。

それとは逆に疑うことが仕事の警官。全く、反対の立場である捜査官新田が、ホテルマンとしてどのように捜査をするのか、尚美とのやりとりもおもしろかった。

だんだん、ホテルマンらしくなっていく新田ににんまり。尚美は、新田を助けようとする女心もいじらしく思う。

ホテルに来る人物の連作短編のような形を取りながら、一連の殺人事件の謎に迫るという見事な構成だ。

陰ながら、能勢刑事の存在を見逃せない。

ただ、一つ気になったのは、犯人の動機。どんな仕事にも逆恨みされることはあるだろうが、いい感じがしない。

お気に入り度★★★★