ぼくから遠く離れて

辻仁成 幻冬舎 2011年2月

ぼくから遠く離れて/辻 仁成
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化粧の似合う男子に恋する少女たち。少女になりたい少年、なりたくはないのに強制的に女装を強いられる青年…Xジェンダー世代を描く21世紀の青春小説。


大学の創作科の安藤光一のもとに、Keyと名乗る人物から、<私は君の中に眠るもう一つの才能を見抜いています。・・・・・・・>というメールから始まり、何度もメールが来て、女装する品物まで届く。

光一は、女の子にもて囃されるような可愛い男の子。女性になることを願っているわけではないが、女装したことから、気持ちに変化が現れる。クラスメート黒岩から、それを題材に小説を書けばいいとすすめられ、小説を書き始める。


「女性?それとも男性?」「どっちでもない。わたしは、自性。自分の性を持っている。」というマナ。堂々とそう言い切れることが、かっこいい。

男性とか女性とか、そういうことにこだわらず、自分らしく生きることとはどういうことかを描いた小説だ。

光一が、女性として目覚めるとか、そういう話ではなく、自分の立ち位置を見つけられた場面で終わっているところがよかった。


Keyとはいったい誰なのか。・・・・・・・意外な人物だった。

お気に入り度★★★