アリアドネの弾丸

海堂尊 2010年9月 宝島社

アリアドネの弾丸/海堂 尊
¥1,500
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東城大学病院で再び殺人事件が!「この事件はすべてが不自然すぎる。絶対にどこかがおかしいんだ」東城大学病院に導入された新型MRIコロンブスエッグを 中心に起こる事件の数々。さらには、病院長に収賄と殺人の容疑がかけられてしまう!殺人現場に残されていた弾丸には、巧妙な罠が張り巡らされていた…。不 定愁訴外来の担当医師・田口公平が、駆けつけた厚生労働省のはぐれ技官・白鳥圭輔とともに完全無欠のトリックに挑む。

東城大学病院にエーアイセンターが創設されることになり、センター長をめぐり、法医学教室の笹井准教授と放射線科の島津が、対立する。そんな時、高階病院 長に田口医師は呼び出され、センター長に就任することになる。副センター長に、元警視庁刑事局局長の北山錠一郎、南雲元監察医務院院長、オブザーバーに宇 佐美警視が就任。対抗するために、田口は副センター長に彦根、絵山シオン、オブザーバーに厚生労働省の白鳥を指名する。

前半は、エーアイセンター設立に向けての話で、後半は、殺人事件の解明。

医療と司法との対立、エーアイへの作者の思いが感じられる。そこに、殺人事件を盛り込み、エンターテイメント小説となっている。


 田口は、出世欲はないみたいだが、エーアイセンターのセンター長になってしまったようだ。

高階病院長が、収賄と殺人の容疑で捕まるが、どのようにして、身の潔白を証明していくのか。白鳥の洞察力が見事だった。そして無力な(?)田口との掛け合いがおもしろい。

今までに登場したさまざまな人たちが、そこらかしこに登場させている。あの人だとわかるのはうれしいのだが、あまりに多様なので、消化不良の部分も・・・・・


お気に入り度★★★