ザロード

監督 ジョン・ヒルコート
出演 ヴィゴ・モーテンセン, コディ・スミット・マクフィー, ロバート・デュヴァル, ガイ・ピアース, シャーリーズ・セロン
2009年
ザ・ロード [DVD]/ヴィゴ・モーテンセン,コディ・スミット・マクフィー,ロバート・デュヴァル
¥3,990
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人気俳優、ヴィゴ・モーテンセンが主演を務め、“世界の終わり”を旅する親子の物語を綴ったSFドラマ。文明が崩壊し動植物が死滅した世界。飢え、寒さ、そして理性を失った人間の襲撃に耐えながら、父と子は安住の地を求めて道なき道を進み続けるが…。



映画「ザ・ウォーカー」 にも通じるものがある退廃した世界。ここでも、色調を抑えた映像が、その暗い世界をよくあらわしている。

この世界で生き延びるのは、むつかしい。食べるものはほとんどなく、残っている保存食を探すしかない。時には、理性を失った者達に食べられてしまうかもし れない・・・・・・・・死ぬ方がどれだけ楽なことか。息子に銃を突きつけた時の父親の気持ちを思うといたたまれなくなった。

大人は、昔の輝かしい時代を知っているが、子供は今のこの時代しか知らない。父親は、子どもを守り、子供に、生きる方法を教えようとする。人間らしく生きること、善きものと悪きものを見分けることを。


息子は、弱っている人を見ると助けようとする。優しい心が育っている。それなのに、父親の方が、食べるものを分けるのを拒んだりしている場面も。息子を守るため、少しでも食糧を確保しておきたかったのか。息子の純粋な気持ちが、父親を逆に救っているように思えた。

こんな退廃した世界において、善きものとして生きることは並大抵のことではない。それでも、人は、善きものであり続けるべきなのだとこの作品は言っているように思った。

お気に入り度★★★