下町ロケット

池井戸潤 小学館 2010年11月

下町ロケット/池井戸 潤
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取引先大企業「来月末までで取引終了にしてくれ」メインバンク「そもそも会社の存続が無理」ライバル大手企業「特許侵害で訴えたら、…どれだけ耐えられる?」帝国重工「子会社にしてしまえば技術も特許も自由に使える」―佃製作所、まさに崖っプチ。

宇宙科学開発機構の研究者だった佃航平は、以前自分が関わったロケット発射に失敗。今は、父親の死に伴って家業を継ぎ社長になり、7年が経過していた。

取引先の京浜マシナリーから、調達変更により来月末で取引を終了してくれと言ってくる。大きな取引先を失ったことで赤字になる見込み。経理部長の殿村が銀 行に融資を申し込みに行くが断られる。そんな時、競争相手のナカシマ工業が、特許侵害で訴えてきて、九十億円の損害賠償金を請求してくる・・・・・と崖っ ぷちの佃製作所。中小企業の佃製作所が、この危機を乗り越えられるのかと読むスピードが早くなった。

いろいろな難題、課題が降り注ぐが、一つづつ乗り越えていく姿が圧巻。

夢を捨てず仕事に取り組んでいる姿。
中小企業にあっても、自分たちが作る製品にプライドを持っている姿。
研究者であった佃航平が経営者として、立派に成長していく姿。
会社内でも反発は起こるが、それでも、いつか、心が一つになっていく姿。

どれもこれも感動だった。

夢を捨てず、自分の仕事に誇りを持ち、働いている佃製作所に拍手。

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