モンスター

百田尚樹 幻冬舎 2010年3月

モンスター/百田 尚樹
¥1,575
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田舎町で瀟洒なレストランを経営し、町中の男を虜にする絶世の美女・未帆。彼女の顔はかつて畸形的なまでに醜かった。周囲からバケモノ呼ばわりされ友達も できない悲惨な日々。そして思い悩んだ末、ある事件を起こしてしまう。追われるように移り住んだ「美女の街」東京。そこで整形手術に目覚めた未帆は、手術 を繰り返して完璧な美人に変身を遂げる。そのとき、甦ってきたのは、かつて自分を虐げた町に住むひとりの男に対する、狂おしいまでの情念だった―。

ブスであることでずっと悩み続けた和子。

容姿よりも、暗い性格が、まわりから敬遠されていたのだろうが、和子は、そんなことには気づかない。コンプレックスから、余計に暗くなり、自分の殻にとじ込まってしまう。

唯一、幼稚園の時、自分のことを守ってくれた男の子のことが忘れられず、ずっと思い続けている。

整形をして、美しくなり、未帆と名前を変え、男性から、ちやほやされるようになったが、そこにたどり着くまでにの人生は、並大抵のことではなかったようだ。

お金を作る。何度も何度も手術を繰り返す・・・・・・・・・・

最後には、思いどおりの男性と・・・・・
そこに行きつくまでの執念がすごい。

でも、この男性が、未帆に簡単になびいてしまったのが、私には、どうも受け入れられなかった。

未帆は、自分のことを愛してくれているにも関わらず、整形をする前の自分を愛してほしい。整形後の自分に嫉妬する。とても複雑な気持ちだろう。

それでも、未帆は、望みがかなって、幸せな気持ちに慣れたのではないだろうか。

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