夜行観覧車

湊かなえ 双葉社 2010年6月

夜 行観覧車/湊 かなえ
¥1,575
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父親が被害者で母親が加害者―。高級住宅地に住むエリート一家で起きたセンセーショナルな事件。遺されたこどもたちは、どのように生きていくのか。その家 族と、向かいに住む家族の視点から、事件の動機と真相が明らかになる。『告白』の著者が描く、衝撃の「家族」小説。



母と娘の争いが絶えない。父はその争いから逃げている。遠藤家。この家族でなら、事件は起きてもおかしくないかもしれないが、事件が起きたのは、医者の父 親に、優秀な娘と息子をいる高橋家だった。

父親が被害者で母親が加害者となった、高橋家には嫌がらせが殺到する。高橋家の子供たちにはつらい日々が待っていた。

この遠藤家、高橋家と、何かにつけ口をはさみたがる小島さと子の視点で話はは語られている。

高台にある高級住宅街、ひばりが丘。ひばりが丘に住むということに、優越感を持つ人たち。ひばりが丘にあこがれて引っ越してきた人たち。彼らは、いつし か、自分の立ち位置を見失っていたのだ。

それぞれの悩みや妬み等が描かれていたが、どれも、自分勝手で醜いものばかりだ。家族の中で起こっていることは、ほかの人たちにはわからないものだと感じ る。そして、家族は、ばらばらのように見えても家族としてまとまっているものなのかなあとも感じた。

真実を見極めることは大切なこと。
しかし、それ以上に、生き残った家族がこれから生きていくことがもっと大切。そのために、一番いい方法とは?

高橋家の子供たちは、こんな結論を出したんだ!家族が協力し合っていくしかない。

 

お気に入り度★★★★