美丘

石田衣良 角川書店 2006年10月

美 丘 (角川文庫)/石田 衣良
¥540
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美丘、きみは流れ星のように自分を削り輝き続けた…平凡な大学生活を送っていた太一の前に突然現れた問題児。大学の準ミスとつきあっていた太一は、強烈な 個性と奔放な行動力をもつ美丘に急速に魅かれていく。だが障害を乗り越え結ばれたとき、太一は衝撃の事実を告げられる。彼女は治療法も特効薬もない病に冒 されていたのだ。魂を燃やし尽くす気高い恋人たちを描いた涙のラブ・ストーリー。

TVドラマ化されたが、原作が、石田衣良さんと知り、読んでみることに~。
TVにはない、セックスシーンが、赤裸々に描かれているし、会話の中にも出てくるが、自然な感じで、いやらしさはなかった。

太一が話しかけるように書かれているので、太一の気持ちになって読み進むことができた。

<生きていることは奇跡で永遠に続くものではない。ここにいるみんなだって、命には終わりがあることは頭ではわかっている。でも、心と身体の底から、命の 素晴らしさを感じているのは、わたしだけ。ねえ、太一君、この世界ってきれいだね。>

美丘は、自分が生きられる時間が短いことを知っていたから、<自分の欲望のままにまっすぐに生きる>ことにしたのだろう。今この瞬間を大切にしていたの だ。

病気に負けることなく、そんな風に生きている美丘は、強い人だと思う。

自分が自分で亡くなる病気というのは、つらいなあ。

太一と美丘は、限りある時間であったかもしれないが、お互い、心の底から愛する人に出会えたことは、素晴らしい。


しかし、このラストは微妙。

お気に入り度★★★