七人の敵がいる

加納朋子  集英社2010年6月

七 人の敵がいる/加納 朋子
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PTA、学童、教師、夫に姑、我が子まで。上司より、 取引先より手強いモンスターが次から次へと現れる!?困惑、当惑、そして笑いと涙の痛快PTAエン ターテインメント!ワーキングママ、専業主婦に、育児パパ、そして未来の子持ち候補たち必読小説。

小学生の子供を持ったことのある私にとっては、とても共感できる話だ。そう そう、PTAの役員やら、学級委員やらが、いやでも回ってくる。卒業までに1~2度は引き受けなくてはならない。どの役員が一番楽かの情報を仕入れ、今立 候補したほうが得策だとか、考えたものだ。(私だけ?)

陽子は、男性と変わりなくフルタイムで働くワーキングマザー。学校の用事ご とで、仕事を何度も休めるような立場でない。それでも、学校の集まりに出席するのは、子供のことがかわいいからだろう。

陽子は、ズバズバと自分の意見を発言する。もう少し、空気を読んだほうがい いんじゃないの?と思う場面はあるけれど、それでも、はっきりとした態度を示している陽子の行動は気持ちがいい。

陽子の奮闘ぶりだけでなく、彼女の過去のことに触れた部分にはほろりとさせ られた。こういう部分が挿入されていることで陽子を見る目が少し変わったかな。

子育ては、母親だけでなく、夫や祖父母の協力は必須なのだと改めて思う。

PTAや自治会の活動に疑問を感じている人は少なからずいると思う。けれ ど、真っ向から、意見を言うような人は少ない。これは、エン ターテインメントであり、誇張されている部分はあるけれど、これらの活動を知ってもらういい機会であるように思った。

お気に入り度★★★★