月の恋人

道尾秀介 新潮社 2010年5月

月の恋人―Moon Lovers/道尾 秀介
¥1,470
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冷徹にビジネスを成功させる青年社長・葉月蓮介が、夜の上海で巡り合った女。ありえない二人の物語は、美貌の中国人モデルや、部下の社員らを巻き込み予測不能の展開に…。旬のエンターテインメント作家がフジテレビ月9ドラマのために書下ろした、話題沸騰の恋愛劇。

月9ドラマはと途中まで見たのだが、おもしろくないので辞めてしまった。原作は、全然話が違っていた。原作のほうが、ずっとおもしろい。
 
弥生、蓮介、シュウメイと三人のの視点で描かれている。時にはユーモアがあり、時には切なく、時には真剣に悩み苦しんでいる。そんなそれぞれ気持ちがとってもよく分かった。

蓮介が出すクイズに弥生が答えるエピソードがなかなかいい。

おもちゃやの高畠さんの花火、料理屋「おんちゃん」の鉄二さんの作る巨大明太子おにぎり、弥生のおじいちゃんの木の話・・・・・・いいな。

人間としての成長、恋愛、友情がさわやかに描かれていて、好印象だった。

制約があっての中での執筆のためか、今までの道尾作品とは違い、トリックもなく、ダークな印象ではなく、さらった明るく、読みやすかった。王道の恋愛小説だが、こういうのも、ありかな。

お気に入り度★★★