Nのために

湊かなえ 東京創元社 2010年1月


Nのために/湊 かなえ
¥1,470
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大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。台風による床上浸水がきっかけで、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。努力家の安藤 と、小説家志望の西崎。それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。すべては「N」のために―。


登場人物が、誰もがNなので、いったいNとは誰のことなのか?読み出したら止まらなくなった。

高級マンションで野口夫妻が殺される。そこに居合わせた4人が事情聴取を受けることになる。犯人には懲役10年の刑が下されていた。10年後、当時を振り返りながら4人の独白がつづられている。

4人の独白により、彼らの過去が徐々に分かって
きて、事件の真相に迫っていく。
それぞれに抱えた事情はどれも重いなあ。



こんなの愛じゃないとおもいながらも、途中挿入されている小説「灼熱バード」身の上と重なっていることを考え合わせて読むとその小説が意味深に思えてきた。


告白  のときの衝撃が大きかっただけに、どうしても比べてしまうが、これも構成もよく、次にどうなるのかと読ませる内容でおもしろかった。


お気に入り度★★★