ヤングアダルトパパ

山本幸久 角川書店 2010年4月

ヤングアダルト パパ/山本 幸久
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夏休みもあと数日。中学2年生の静男は、生後5ヶ月の赤ん坊を負ぶり保育所を探していた。10以上年の離れた花音と恋をして、優作が生まれた。しかし彼女 は幼い父子を残し、消えてしまったのだ。もうすぐ二学期が始まる。急がなきゃ。しかし、中学生の保育所探しはどこからも相手にされない。途方に暮れながら それでも、静男は優作を守ろうとするのだが…。14歳の父、5ヶ月の息子、幼い父子の、家族物語。

中学2年生で、父親!衝撃的な出来事であるが、ほんわかとした雰囲気で話は進んでいく。

静男は、優作の世話をこまめにし、優作と別れたくないと保育園を一生懸命に 探している。とてもけなげだ。それに、保育園の人たちをはじめ、友だちたちが協力的なのがとてもいい。子どもを育てるというのは、こうして、周りの人たち に助けられて育つもの。今の世の中、核家族が多くて、自分だけで育てようとして育児ノイローゼになったりする人もいるが、人に甘えることもひとつなんだと 思う。



物語としては、静男の息子に対する愛情がいっぱい感じられて、ほのぼのとしたいい感じではあった。静男と優作は離れてほしくない。しかし、中学生の父親というのはどうななのだろう。実際問題として、どうするのだろう。子どもを育てるというのは、生半可のことではない。

それにしても、家にほとんど帰らない静男の父親、相談しに行ったのに自分のことばかり話をして相談に乗ってくれない静男の母親、子どもを捨てて出て行った花音といった大人たちの身勝手さに腹が立った。


お気に入り度★★★