インディペンデンス・デイ


原田マハ PHP研究所  2010年2月

インディペンデンス・デイ/原田 マハ
¥1,575
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楽しみじゃない?いちから始められるなんて。すごいじゃない?誰にもたよらないなんて。ひとりの女性に、ひとつの独立を!さまざまに悩み、しがらみに揺れる女性たちに贈る連作短篇集。



様々な悩みを持った人たちが登場する。

川をを超えた場所に実家から離れて暮らしたい女性、夫と死別してから毎朝パンケーキを焼くようになっ た女性、スナックを経営する母が嫌で大学進学で家を出た娘、いじめを受けている生徒を受け持つ女教師、代議士とのスキャンダルを暴かれた人気リポーター、 夫の暴力に悩むネイルサロンで働く女性、認知症の母をもつ心療内科の医師、輝いている友を後ろから眺めている女性、ごめんと言うメッセージ付きの花束を毎月もら う女性、漫画家を目指している女性、病院生活を送る女性、、就職の内定を取り消された大学生。娘が乱暴で母親仲間から疎外されている母親。未婚の母、がん に侵されている夫の妻など・・・・・・・・・・


不安や悩み。そこから抜け出すには、何がきっかけだったのか。晴れ渡っていくすがすがしさを感じる作品だ。


他の短編で登場した脇役の人が次の主役になっていて、話がどんどん進んでいく。次はこの人が主人公なのかと想像を巡らすのも楽しい。そして、みんなつながりのある人生を送っているんだと感じる。


トイレに花を飾る掃除のおばさん、故郷に帰った方がいいとアドバイスしてくれるマスター、お話を聞かせてくれる公園のそうじのおじいさん、逃げたカナリアの飼い主を探す人たち・・・・

そのちょっとしたやさしさが心を満たす。


今日が私の、独立記念日


彼女たちがどのように今までの自分から抜け出すことができたのか。一つひとつの短編をもう一度じっくり味わって読んでいきたい。


お気に入り度★★★★