1Q84

村上春樹 新潮社 2009年6月


1Q84 BOOK 1/村上 春樹
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1Q84 BOOK 2/村上 春樹
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Book 1
心から一歩も外に出ないものごとは、この世界にはない。心から外に出ないものごとは、そこに別の世界を作り上げていく。

Book 2
「こうであったかもしれない」過去が、その暗い鏡に浮かび上がらせるのは、「そうではなかったかもしれない」現在の姿だ。




スポーツインストラクターの青豆は首都高をタクシーで移動中、渋滞に巻き込まれ、タクシーの運転手に教えてもらった緊急避難用の非常階段を降り、仕事先のホテルへ急ぐ。そこで裏の仕事をする。
予備校の講師の天吾は、小説も書いていたが、文芸誌の編集をしている小松から、ふかえりという17歳の少女が書いた小説『空気さなぎ』を芥川賞を受賞させるため書き直しの話を持ちかけられる。

青豆と天吾の世界が交互に描かれている。独立した二人の物語がそれぞれにおもしろく、話にのめりこんだが、この2つの話につながりが見え始めたとき、感激を隠しきれなかった。

宗教の世界に自分から入っている人はいいとして、子供はその世界しか知らないで成長する。そこに問題があるなあと思う。

10歳のときの出来事。そのときの相手をずっと愛し続けている。偶然に出会うことを願い、探そうともしないで。
愛する人のために自分の死を覚悟する。小学生のときの出会いの人をそこまで深く愛せるのか。いや、生涯で一人、愛する人がいるということは、すばらしいこと・・・・・・・

1984年ではなく、1Q84年の世界。
私たちがいる2010年。もしかしたら、20JU年にいるのかもしれない。どこか少し違ったところがあったとしてもそれを見逃しているのかも。20JU年にいたとしても、元の世界に戻ることは出来ず、今生きているこの世界で生活していくしかない。なんてこと考えた。

村上春樹の世界を久しぶりに堪能した。とはいえ、私には、消化しきれていないけれど・・・・・・・。


お気に入り度★★★★