WILL

本多孝好 集英社 2009年10月

WILL/本多 孝好
¥1,680
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累計30万部超のベストセラー『MOMENT』の待望の姉妹編。『MOMENT』の主人公・神田の幼馴染の女性、葬儀屋・森野の視点で描かれる本作は、前 作のラストから7年後の物語。18歳のときに両親を事故で亡くし、家業の葬儀屋を継いだ森野。29歳になった現在も、古株の竹井と新人の桑田、2人の従業 員とともに、寂れた商店街の片隅で店を経営する。アメリカに住む幼馴染の神田とは、時折電話で話をする。かつて甘美な関係を築いた彼との今後については、 彼女自身が結論を先送りにしたままだ。日々淡々と、社長としての務めを果たす森野のもとに、仕事で関わった「死者」を媒介にした、数々の不思議な話が持ち 込まれてくる――。森野葬儀店に依頼された、高校の同級生・杏奈の父親の葬儀。その直後に安奈のもとに届いた“死者からのメッセージ”。一度家族のもとで 執り行われた老人の葬儀を「自分を喪主にしてやり直して欲しい」と要求する女。十数年前に森野の両親が葬儀を行った男性の妻の元に通いつめる“夫の生まれ 変わり”の少年――「死者」たちが語ろうとするものは何なのか? それぞれに潜む「真実」を、森野は探っていく…。

『MOMENT』の姉妹品ということで、神田ではなく、葬儀屋の森野の視点で描かれている。両親を亡くした森野が、葬儀屋として仕事をこなしながら、立ちはだかった一つ一つの問題を解決していく。それが最後には、ひとつの物語となっていて、その構成のうまさには脱帽だ。

森野と神田の関係がどうなるのかとハラハラしながら読んだ。

死というものを扱っているにもかかわらず、一つ一つの出来事の話もほんわかとした暖かさがある。
それに加えて、
・・・・・
竹井が、森野を下でずっと働いていたわけも、過去のエピソードを知って、そうだったのかと思ったが、このように、森野自身に関する話も、暖かさがあって、とてもいい。


森野の名前・・・・・そういう名前だのね!

お気に入り度★★★★