6TEEN

石田衣良 新潮社 2009年9月

6TEEN/石田 衣良
¥1,470
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『4TEEN』続編ついに刊行!ぎこちない恋。初めての裏切り。そして、少しだけリアルさを増してきた未来…。超高層マンションを見上げる月島の路地で、ぼくたちはこの世界の仕組みを考える。ダイ、ジュン、ナオト、テツロー―永遠の青春小説。

14歳、中学生だったダイ、ジュン、ナオト、テツローが、16歳、高校生となっている。高校はそれぞれ違う(同じ高校でも昼間と夜間と言う違いもある)が、「もんじゃ ヒマワリ」に集い、今までどおり仲が良い。


女の子やセックスに興味を抱く年頃なので、そういう話が多かった中で、私が心に残ったのは・・・・・

秋の日のベンチ
高校生にあって、中学生にないものはなんだろう?
中学生のころはすべてぼんやりとした灰色の雲のようだったのに、16歳になると憂鬱も退屈も不安もずっと具体的になるのだ。 
風変わりなホームレスと話をすることで、自分の居場所について考えている。


16歳の別れ
人が死ぬというのは、どういうことなんだろうか。
死はひとりきりしか加入者のいない携帯電話によく似ている。
ユズルの死を通して、感じたことが語られている。
「ユズルはぼくたちの大事な友達です。」と言い切ったテツローがいい。


おばけ長屋のおばあ

古暗い店「もんじゃ ヒマワリ」はおばあちゃんがひとりでやっているが、そのおばあちゃんがいつも派手なプリントのサマードレスを着ている。そのわけを知ったとき、暖かいものがこみ上げてきた。


いまどきの高校生は、こんな感じなのかなあと思いながら読んだ。
違う道に進んでも、四人は、いつまでも友だちでいてほしい。


お気に入り度★★★