屋上ミサイル

山下貴光 宝島社 2009年1月

屋上ミサイル (このミス大賞受賞作)/山下貴光
¥1,470
Amazon.co.jp


大統領がテロ組織に拉致監禁されるという大事件がアメリカで発生していたものの―日本の高校生たちにとって、それは遠い国の出来事だった。それよりも、 もっと重要なことがある。例えば、校舎の屋上でスケッチをすることだとか。美術の課題のため、屋上にのぼった高校二年生の辻尾アカネ。そこで、リーゼント 頭の不良・国重嘉人や、願掛けのため言葉を封印した沢木淳之介、自殺願望を持つ平原啓太と知り合う。屋上への愛情が共通しているということから、国重の強 引な提案で“屋上部”を結成することになった四人。屋上の平和を守るため、通行人を襲う罰神様騒動、陸上部のマドンナ・ストーカー事件、殺し屋との遭遇な どに巻き込まれることになる。それらはすべて、ひとつの事件に繋がっていた!『このミステリーがすごい!』大賞2009年第7回大賞受賞作。

屋上部という設定もおもしろい。屋上部の4人やアカネの家族のキャラもいい。会話が楽しい。国家の危機と、身近な問題が、うまくかみあっている。伏線が最後に回収されて話がつながる。そう、伊坂幸太郎を思わせるような作品である。

しかし、ちょっと、偶然が多すぎるかなあ。いま一歩。


お気に入り度★★★