もえない Incombustibles


森博嗣 角川書店 2007年12月





クラスメートの杉山が亡くなった。僕(淵田)は、杉山と特に親しいわけでもなかったが、杉山の父親が、棺を火葬場で焼いたとき燃えずに残ったという、S.FUCHITAと書かれた金属のしおり(?)を学校に届けてくれる。また、僕は、以前杉山から受け取って封を切らなかった手紙のことを思い出す。自分の記憶があいまいなことに気づく淵田だったが、自分の目の前で事件が起きる・・・・・・


派手な格好をし女性にも持てる友達の姫野や物象部の面々との話がおもしろい。淵田は女性には興味がなさそうであるが、淵田を好きな女子も現れたりして・・・


そんなこんなで、最後にはつながってくる。名探偵がいるわけでもなく、しいて言えば、僕つまり、淵田が解決しようとするというお話。目新しい謎解きではなかったけれど、会話が軽妙で、僕の思考が細かに書かれているので、おもしろかった。


記憶とはあいまいなものだ。いやなことは忘れて、いいことだけを覚えているってこともあるのかも・・・・・・


お気に入り度★★★