街のあかり


監督 アキ・カウリスマキ

出演 ヤンネ・フーティアイネン.マリア・ヤンヴェンヘルミ.イルッカ・コイヴラ

2006年



警備会社で働くコイスティネンは、仕事仲間と仲良く言葉を交わすわけでもなく、酒を飲みに行ってもひとりで飲んでいる。家でもひとり、。孤独な毎日。仕事の終わりにホットドッグの店に立ち寄るのが日課だった。ある日、美しい女性から声をかけられデートの約束をする。彼女に恋したコイスティネンは、事業を始めようと銀行に融資を頼みに行くが・・・・・・・・・・・


彼女に恋する気持ちが、いじらしいほど。着るものに気を配ったり、映画館では映画を見ずに彼女の顔をずっとながめている。今までどれほど孤独であったのか、そして今どれほど、うきうきしているかが、手に取るようにわかった。


しかし、彼女は目的があって近づいたのだ。コイスティネンは、見事にだまされてしまう。しかし、彼女をことを他の人に話したりしない。あの女性に対する想いからか、これが自分の運命だと思っているのか、自分の身に降りかかったことを、すんなり受け入れる。


世間から見たら負け犬になるのだろうか。でも彼は決して負け犬なんかでない。とてもまじめなのだと思う。家もきれいに片付けちゃんと生活しているし、未来のことを考えて、セミナーにも参加し勉強している。なのにうまくいかない。人との付き合い方が下手なだけなのだ。


あまり会話もなく、
特にユーモアがあるわけでもなく、登場人物たちは無表情で、淡々と話が進んでいくが、バックに流れる音楽に惹かれつつ、この映画の世界に引き込まれていく。


犬の持ち主に意見する場面があったが、これも、ラストへ向けての要因の一つ。

ラストは秀逸。こんな身近にコイスティネンのことを思っていてくれる人がいたのに今まで気づかなかったなんて・・・・・・・・


「浮雲」「過去のない男」「街のあかり」でアキ・カウリスマキ監督の敗者三部作らしい。他の作品も見てみたい。


お気に入り度★★★★