サルバドールの朝


監督 マヌエル・ウエルガ

出演 レオノール・ワトリング, ダニエル・ブリュール, トリスタン・ウヨア, レオナルド・スバラグリア



 

1970年代初頭、フランコ政権時代のスペインで自由解放運動をする若者たち。銀行強盗をして資金を得る。最初うまくいっていたが、長続きはせず。ある日、警官との銃撃戦の末にサルバドールは逮捕される・・・・・


前半は、自由解放運動を活動的に描いている。


自分たちの主義主張のために一心に活動している若者たちは輝いて見える。けれど、銀行強盗を楽しんでいるようにしか映らなかった。いくら、正しい活動のためとはいえ、強盗をして資金調達をしていいものなのか?


サルバドールの元の彼女は、結婚が決まっていたようだが、連絡係に利用されていたけれど、実のところ、サルバドールのことをどう思っていたのだろう。


後半はサルバドールが捕まってから処刑されるまでを静かに描いている。


最初、嫌っていた看守ヘススも、サルバドールとバスケをし、話をすることで、サルバドールの理解者となる。このエピソードがいい。


弁護士や家族らは、最後まであきらめず、恩赦を願う。サルバドールは死刑を前に恐怖心があるだろうが、気持ちをおだやかに保ち、家族に心配りを見せるほどだ。


恩赦がでますように!死刑になりませんように!と私も一緒に祈った。


それにしても、この処刑の仕方は何?初めて知ったが、屈辱的なやり方だ。


ラストに妹のシーンを持っていったところはいい。



この時代、どれだけ市民が弾圧されていたのかも知らないので、サルバドールたちのしていたことの意味が、正しく理解できない。これだけ、処刑されたサルバドールを皆が認めているのだから、その意味は大きいのだろう。後半部分は感動できるはずの映画なのだが、歴史に疎い私にも、そういうところも描いてくれれば、もっと感動できたように思う。(もっと勉強してから見ろよとおこられそう!)

お気に入り度★★★