シュガーな俺


平山瑞穂 世界文化社  2006年11月


シュガーな俺/平山 瑞穂
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異常な喉の渇き、原因不明の激ヤセ、全身の倦怠感。若くして、糖尿病と判断された俺は、入院することになる。注射と食事の為、病院生活だが、普段は普通にしていていいので、病院から隣ビルの会社へ出勤していた・・・・・・・



タイトルから、どんな話かと思ったら・・・なるほど。おもしろいつけ方。


糖尿病についてとても詳しい。糖尿病の種類、入院した時の治療方法から、教育入院、食事療法等、これを読めば、糖尿病をよく知ることができる。この本を読んでから、後で知ったことだが、作者は糖尿病で入院したことがあるらしい。経験から書かれたということだ。それで、こんなに詳しいわけか。いや、経験だけではなく、相当、勉強していると思う。私は、糖尿病について、誤解していることがいっぱいだった。


小説としてはどうだろう。

糖尿病と診断されて、これが、最後と酒をあおる。その気持ち、わかるなあ。

医者の注意を守ってきっちりしていこうとするあまり、共働きの妻と衝突。浮気もするけれど、最後には妻の理解を得て・・・・・・・ラストの言葉も内容にあっている。


模範的な患者。ここまで、完璧にしようとしようとしている患者って少ないだろうな。

<清涼飲料水をも飲むかわりに甘味料を入れた炭酸水に少しだけカボスの果汁を落として飲む>

こんなに工夫してまで、徹底して管理できるものなのか。


食品成分表にしたがって、カロリー計算をして、自分で食事を作る。それだけでも大変なのに、仕事は今までどおりしていたのだから、すごいと思う。しかしだからといって、治る病気ではないところが、悲しい。もっと、おおらかな気持ちで、横柄に付き合っていくしかないのかもしれない。


糖尿病になってから、こんなえらいことになるのなら、健康なうちに、カロリーを押さえた食事にしなければ・・・・と思うのだが・・・・・・・・


お気に入り度★★★