美晴さんランナウェイ
山本 幸久 2007年4月 集英社
この春中学に進学する世宇子の叔母である美晴さんは、27歳で結婚もしないで、世宇子の家族(世宇子、世宇子の弟の翔、父親、母親)と暮らしている。この美晴さん、なにかと問題を起こし、都合が悪くなると逃げ出してしまう・・・・・・
美晴さんは、おばあちゃんの葬式を抜け出したり、見合いを片っ端から断ったり、世宇子の母親のワンピースを勝手に借りたり、世宇子の風邪に、特製の玉子酒を飲ませたり・・・・
美晴さんの行動は、どこか変!美晴さんに振り回されている家族は、迷惑だろうなとは思う。けれど、何か、ほのぼのと暖かい。不思議な存在の人だ。
「逃げてないよ、追いかけてるの」
美晴さんは、自分らしさを追いかけていたのかな?
世宇子の家族、医者の那須先生、小山田くんなど、多彩な人たちが登場し、この小説は、ホームドラマをみているような気持ちになった。
自由のような従兄がいたらいいだろうな。世宇子が憧れるのもわかる・・・・
美晴さん、これで落ちつくのかな。いいラストだ・・・・・
この本に出てきた「バランタワー」、なつかしい。単純なゲームだけれど、結構おもしろい。家のどこかにしまってあるはず。またこれで遊びたくなった。
お気に入り度★★★