神田川デイズ


豊島ミホ  角川書店 2007年5月


特に何をすることもなく大学生活を送る三人の男たち。グダグダ状態から抜け出そうと、『お笑い』を始める事に・・・・

入学式の日、やさしくしてくれた一人の女性。彼女にあこがれて入ったサークルは、『不戦をうったえる会』・・・・

軽い恋でもおいしいところをとってサクっと生きるのがクレバーだと、飲み会で知り合ったかわいい女の子と付き合い始める・・・・

映画サークルの活動に幻滅し、自分たちで女性向けのピンク映画を撮るサークルを立ち上げる・・・・

まじめに勉強してきたが、友達がひとりもいない。ある日、人と話すことが、こんなに楽しいと知る・・・

売れない作家業を諦め、就職活動を始める・・・・・


大学生活に希望を持って上京してきた地方の学生たち。不安や悩みをかかえ、葛藤を繰り返しながら、自分の道を模索していく学生の姿を描いた6篇の短編集。主人公は違っても、他の章にも登場するので、いろいろな角度からその人物が見れるのもおもしろい。


特に何かに秀でているわけでもない普通の学生たちが、主人公となっているので、共感しやすいのかもしれない。、彼らが、行動を起こしているのを読むと、平凡な自分でも何かができるんだという希望がわいてくる。小さなことからでも何かを始めようとする彼らが、いとおしい。



飲み会やクラスコンパは、ただ騒いでいるだけのようでも、いろんな出会いがあり、友達ができたり、ハプニングが起きたり・・・

ああー、やはりいいものだなあ。


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