包帯クラブ


天童 荒太 筑摩プリマー新書  2006年2月


ワラは、総合病院の屋上で会ったディノが、「心が傷ついている。耐えているのがしんどうになってなってる。」という言葉に対し、「だったら血を止めればいいんじゃないの」と思い付きを口にした。「なら、包帯巻いてくれる」・・・・・戦わないで、自分たちの大切なものを守ることにした、ある小さなクラブの記録。


現在は、自殺者や犯罪が多い。しかし、それは正当な理由がすべての場合にあるわけではない。心に傷を負っている人が多いのだと思う。同じ出来事でも、人によって感じ方は違う。人にとっては、些細なことでも、深く傷つく事だってあるのだ。しかし、それは正当な理由がすべての場合にあるわけではない。


傷に包帯を巻くように、心の傷にも包帯を巻く。そんなことで簡単に心の傷は治るとは思えないけれど、それでも、人に自分の悩みを話をするという行為。それは、自分自身の何かのけじめのような気がする。少しでも、気持ちが軽くなるのなら、少しでも元気になるのならそれでいいでなはいのか。


ディノは、疑問に思ったことは行動を起こす。それは、変な行動に見えるけど、とても大切なことなんじゃないかと思う。行動に移すことで、何かが始まるように思う。


少しでも、心の傷を負った人たちを助けたいというピュアな心を持った若者たちの青春小説。「―――報告」という形で、包帯クラブの今の活動もみれていい。


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