トゥモロー・ワールド


監督 アルフォンソ・キュアロン

出演 クライヴ・オーウェン ジュリアン・ムーア マイケル・ケイン キウェテル・イジョフォー チャーリー・ハナム クレア=ホープ・アシティー



トゥモロー・ワールド


近未来、人類全体が不妊になり、後を継ぐものがなくなった時、世界は暴動が起き、政府として機能しているのは、難民を排除する強い軍隊を持つイギリスだけだった。セオは、反政府組織に捕らえられるが、その組織の女性指導者は、元妻だった・・・・・・・


子どもがいなくなり、未来を担うものがなくなったら・・・・・と思うとこわくなる。どうして、こんな世界になったのかは、はっきりとは説明されてないけれど、地球の温暖化,や環境破壊、少子化問題、新しいウィルスやインフルエンザの発生など、今起こっている問題が、さらに深刻化するとこんな常態になるのではないかという恐怖がよぎる。この映画は、SFでありなら、リアル感のある作品だ。また、アクション映画でありながら、メッセージ性のある作品だと思う。


イギリスだけが生き残った時、難民を助けようとせず、排除してしまう。それに、自殺する薬を配給するなんて、なんという政府なんだろう。自国だけが生き延びたらいいとでも言うのだろうか。


政府軍と反乱軍の銃撃戦の中、セオは、必死になって少女らを守ろうとする。武器を持って戦うのではなく、ただ、守り抜こうとひたすら進む。その姿に感動を覚える。新しい命だけは、どうしても守りたかったに違いない。そして、子どもの姿を見たとき、銃撃がやまリ、道を開く場面は、一番の見せ場。子どもは、みんなの希望なんだと思う。


戦闘シーンは迫力があったし、出産シーンは、CG映像であろうが、本当に生まれたような錯覚におちいったほどだ。映像的にも、すぐれた映画だった。


お気に入り度★★★★