れんげ野原のまんなかで

森谷明子

東京創元社 2005年2月




秋庭市のはずれにあり、利用者の少ない秋葉図書館に、職員の目を盗んで、閉館後の図書館に居残ろうとする少年たちが現れる・・・・・・
秋葉図書館の四季の移り変わりと図書館で起こる事件のなぞを図書館司書の能勢らが、解決していく。

本好きの私、特にほとんど本を買わずに図書館に頼りきっている私にとって、図書館はとても大切な場所。その図書館の中のことを詳しく知った思いだ。もっと、図書館を利用しないともったいないなあ。



ここでは、日常の謎が、解決されていく連作短編集だが、日常の謎といっても、『第4話 二月尽 名残の雪』では、怪談、雪女の真実が書かれているし、『第5話 清明 れんげ咲く。』では、変死事件が、書かれていて、日常の謎で終わっていない。



一番印象の残ったのが、、『第5話 清明 れんげ咲く。』

図書館に迷い込んだ古本から始まり、昔の変死事件荷までたどりつくわけだが、この古本を置いた人の背負ってきた過去を思うと心が痛む。能勢の、事実がわかってからの対処の仕方がいいなと思った。ここに出てくる本『床下の小人たち』読んでみたい。



能勢の家族のこと、司書の文子の恋心も描かれていてよい。物知りの日野を、もう少し、登場させてほしかったな。

お気に入り度★★★★