誘拐ラプソディー 荻原浩  2001年10月 双葉社



斉藤工務店で働く伊達秀吉は、借金に困り、親方を殴り倒し、金庫から金をつかみとって、車を勝手に持ち出す。もう死ぬしかないと丘の上の空地に行き、死のうといていると、いつの間にか自分の車に子供がいるのを発見。秀吉は、この子を誘拐して身代金を奪うことを考えるが・・・・・


誘拐した(?)子、伝助は、社長の息子だと思ったのに、実は・・・のおぼちゃまだったために話はややこしくなる。この話は、ノンストップで、笑わせてくれた。


子供のためとなると、人が変わる。子供を思う気持ちは、・・・だって、警察だって、誰でもおんなじなんですよね。


秀吉と伝助との珍道中。秀吉は、伝助がじゃまだからと、何度も殺そうとする。でもできない。

それは、伝助が気の弱い盗人に過ぎないのだから。でもそれだけじゃない。

自分を信じきってる伝助を誰が殺せるはずがないではないか。


少しの登場しかないけれど、斉藤の工務店の親方もいい人だ。

秀吉よ、お前が思っているほど、ついてないわけじゃないよ。

実はとても運があるんじゃないかな。

いっぱい笑って、でも、ほろりとさせられた誘拐事件でした。

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