容疑者Xの献身 

    東野圭吾著 文藝春秋 2005年8月



お弁当やで働く靖子に思いを寄せる高校教諭石神。
靖子と娘が、殺人を犯してしまった事を知った石神は、二人を助けようとアリバイ工作をする。

きびしい警察の追及に見破られないのは、石神は、実は天才的な数学博士で、だからこそ、完全なアリバイ工作を考えられたんだと思っていた。けど、真実は他にあったのには驚いた。ここまで献身できるとは!

石神の靖子に対する強く純粋な愛情、この事件の真相を見破る物理学者の湯川が、友達を思う気持ちなどが手にとるようにわかり、ミステリーといえども、人間ドラマが感じられ、切ない作品に仕上がっている。
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