「むかしのはなし」   

昔話に関連付けした7話の短編集。
いろいろな話を集めたものかと思って読んでいたけれど、話が繋がっていた。
<2ヵ月後に地球は、大きな隕石と衝突するかもしれない>としたら、みんなはどうするだろう。
パニックになって、どうせ死ぬならと、犯罪を犯したり、暴動が起こるかもしれない。
実感がわかず、どうしたらよいかわからず、「入り江は緑」のぼくのように、ひとまずいつも通りの生活をする。そんなものかもしれない。
助かるために、必死になる人もいるだろうけど、今の生活を続けられるというのは、とても素晴らしいことなのかなと思う。
「懐かしい川べりの町の物語せよ」のモモちゃんっていいなと思う。不思議な魅力を感じた。
自分たちの今の生活が、昔話となる時代が来ることだろう。

お気に入り度★★★★

三浦しをん著 幻冬舎2005年2月