ジャンル : 任侠/時代劇
製作年 : 2010年
製作国 : 日本
配給 : ワーナー・ブラザース映画
上映時間 : 133分
監督 : 杉田成道
原作 : 池宮彰一郎
出演 : 役所広司 、佐藤浩市
片岡仁左衛門 、桜庭ななみ
山本耕史 、風吹ジュン
田中邦衛 、伊武雅刀
笈田ヨシ 、荒木悠司
安田成美 、福本清三
吉良上野介邸討ち入りの後に、大石内蔵助から「討ち入りの真実を赤穂の遺族たちに伝え、彼らの生活を助けよ」という命を受けた寺坂吉右衛門。
16年後、彼は最後の遺族を訪ね、すべての使命を果たし終えた。
その後京都を訪れた寺坂は、討ち入りの前日に逃亡した瀬尾孫左衛門の姿を見かける。
実は瀬尾も大石から密命を与えられていたのだった。
その密命とは、大石内蔵助と側女の間にできた子どもを、保護して育てよと言うものだった。
池宮彰一郎の同名小説を、ドラマ「北の国から」などで知られる杉田成道が監督した本作。
物語の要所要所に差し挟まれる人形浄瑠璃や、京都や滋賀など日本各地で撮影された自然の風景も美しい。
忠義に生きる武士や、武家の娘として凛と生きる少女など、古き良き日本人の精神を、現代の俳優たちが見事に体現した一作。
これは本物の武士の映画です!
忠臣蔵は何度も映像化されTVドラマにもなっていたのに あの討ち入りの裏にこんなドラマが隠されていたなんて!! それだけでも驚きなのに・・・
その密命を16年もの長い年月の間 孤独と闘いながらも成し遂げる精神力と武士の面子。
殺陣シーンが殆どないのに こんなにも武士道を感じる作品が今まであったでしょうか・・・
桜庭ななみが内蔵助の隠し子可音(かね)を・・・武家の女として 高貴で可憐な姫を凛として演じています。 この奥ゆかしさは現代にも受け継がれてほしいです。
16年間長々と説明するようなシーンはないのに その長さと苦悩のすべてを感じる事の出来る演出を堪能しました。
凄い空気感です。 台詞ひとつないのに表情とかすかにうなずくその仕草で 今までのすべての労をねぎらいそして理解する。。。もう号泣です。
こんなに言葉少なに すべてを語る時代劇ははじめてみました。
”武士は食わねど高楊枝”っていう言葉があるけど そのまんま!!
うち入りを経験し生かされた男と うち入りの前に命を預けた男。
2人の忠臣蔵の結末の大きな違いと 成し遂げたモノの大きさに深い感動と悲しみと武士としての生きざまを見せつけられました。
今年見た時代劇の中で最高の作品だと思いました。 年末年始の映画鑑賞の予定に是非入れて欲しい作品です。