どうも、はむばねです。
あっつい\(^o^)/
いやいやいやー、「ブログに最近~ですって書いたらそれが崩壊する法則」が発動したのか、今日はなんかクッソ暑かったですね。
本日の福岡は、雨だったのですけれど。
ちょっと前まで雨が降ったら空気がひんやりして涼しくなったもんですが、ついに湿気で余計蒸し暑くなるようになってきましたね。
そして、厚くなるにつれメガネの不便さが際立ってきます。
いちいち汗拭くたびにメガネ外さないといけなくて、ちょっと外歩いた後なんで「これもうメガネしてる意味なくね?」ってくらいの頻度でメガネ外すことになるので。

そんなこんなで、感想です(日に日に入りが雑になってる感)。
ネタバレは、たぶんほぼ無し。

狂乱家族日記 壱さつめ<狂乱家族日記> (ファミ通文庫)
KADOKAWA / エンターブレイン (2012-10-16)
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あらすじは、Amazonより抜粋。
>大日本帝国超常現象対策局、対策一課に所属する乱崎凰火が、
>ある日道で出会ったのは、ネコ耳、ネコ尻尾の傲岸不遜な少女?凶華だった。
>そして、この日から凰火の不幸の日々が始まったのだった。
>なぜなら、出会って数時間後には、凰火はこの自分を神だとのたまい、
>罵詈雑言をまき散らす謎の生命体と結婚させられてしまったのだ。
>地球を滅亡から救うために--。

おぅ、これがデビュー作か……。
日日日先生、やっぱパねぇな……。
いや、日日日先生についてはどれがデビュー作と言えるのかは若干微妙ですけども(同年に複数の賞を受賞されているので)……。

というのは、ともかくとして。
最初は、「あぁ毒舌(笑)わがままヒロインに振り回されるお話ね、はいはいワロスワロス」という感じで読み始めたのですけれど。
まったくもって浅はかであったと、日日日先生に謝罪申し上げたいです。

いやまぁ、毒舌わがままヒロインに振り回される、というのも表面的にはあながち間違いないのですけども。
まず、そのヒロイン、凶華さまの造形が思ってたよか断然深かったです。
……いや、深いのか?
浅いようでいて深いようでいて、やっぱり浅いのかもしれん。
とにかく、テンプレで薄っぺらいヒロインでないことだけは確かと言えるでしょう。
唯我独尊で気まぐれな性格ではあるのですが、意外と人の話聞くしそこそこ自重するしまぁまぁ誰かのために行動出来る。
でも決して聖人や善人ではないし、何をしでかすかわからない恐ろしさもある。
この人間臭さとろくでもなさの入り混じった感じ、何気に神様っぽいですね。
まぁ実際、彼女が神様的存在であるのか謎なわけですけれど。
ちな、表紙の彼女が凶華さんなわけですけどもこれで20歳だったりします。
なんだその、なんとも言えないフェイント。
でも、この年齢設定も結構絶妙な気がしていまして。
普段は子供か猫かみたいな気まぐれさを発揮しつつも、時折思慮深いところを見せると「まぁ言うて20歳やしな……」と納得出来ます。

そんな凶華さまに振り回されるのが、主人公たる凰火さん27歳。
何気に主人公カップルの年齢が(ライトノベルにしては)高いですね。
(見た目はともかく)年齢だけ見れば、全然普通に夫婦でもおかしくない。
んで、凰火さんが年齢相応の大人の落ち着きと懐の深さを見せてくれてるところも個人的にグッド。
どんだけ振り回されても絶叫とかしないよ!
まぁ、なんか段々凶華さまに毒されていくのかツッコミの毒が濃くなっていってる気はしますけれど。
あとこれは逆に年齢相応の落ち着きを見せているからこその欠点とも言える点かもしれませんが、正直伸びしろというか成長ポイント的なところは(少なくとも1巻時点では)ほとんどないです。
物語開始時点で、ほぼ大人として完成しているので。
だから主人公の成長とか覚醒が好きな方には、ちょっと不満かもしれません。
というか、ぶっちゃけ少なくとも1巻ではほとんど活躍しないまである。
結構な能力と地位と権力持ってるはずなんですが、他がぶっ飛びすぎてるからな……。
どちからというと派手に暴れるのは他の「家族」の役割で、凰火さん自身は後始末とかに回ってる感じです。
個人的には、その辺りの地味な役割こなしてるところも好ポイントですけどね。

んで、この「家族」。
これが、本作最大のぶっ飛びポイントですね。
ぶっちゃけ彼(?)ら彼女(?)らに比べれば凶華さまですら若干霞むレベル。
そんな二人の人間と一人の人外と二匹と一つのよくわからないもの、の正体は本文をお読みいただくとして(まぁ、カラーイラストの段階でほぼ割れるのですけれど)。
彼(?)ら彼女(?)らと「家族」になる理由が早々に説明されたのも個人的に非常にグッドでした。
数多の物語では、大事な情報を無駄に主人公に開示しないがゆえに無用なトラブルが起こったりするモヤモヤ展開になりがちですからね……。
ほうれんそう、大事。

閑話休題。
(凶華さま以外の)「家族」が、そのステータスのぶっ飛びっぷりに反してビックリするほど常識人なのも本作の面白ポイントですね。
いやまぁ半分くらい人じゃないし、一匹意思の確認すら出来ないのも混じってますけども。
常識を持った彼ら(凶華さま除く)が、善意で以って行動している(凶華さま除く)ので、物語全体が優しくなってるんですよね。
加害者側にも気遣いを見せる仏っぷり。
まぁその分、「因果応報! 罪を犯した者には等しく死を!」派の方には不満が残る展開かもしれませんが。

うん、全体的にドタバタした軽めのノリで、しかしキッチリ「家族愛」を描いた良作だったと思います。