どうも、はむばねです。
うーん、なんか目が腫れぼったい感じがする……。
寝不足のせいだろうか……。
……と思ってたら、どうも出来物が出来(かけ?)てるようですね。
まぁ、それはそれで不規則な生活の結果という気もしないではないですが。
しかし、だとすれば影響出るの早すぎィ!?
うーん、何かにつけてすぐ身体に跳ね返ってくるようになってきましたね……。

そんなこんなで、感想です。
最近はペース遅めですね。
まぁ、基本アウトプットの終始してるからな……。

ネタバレは……あんまりない、つもりです。
いや、やっぱそこそこあるかも(改めて記事を見直して)。

星図詠のリーナ (一迅社文庫)
川口 士
一迅社
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あらすじはAmazonより抜粋。
>父である国王の命を受け、辺境へと地図作りの旅に出た賢く若い王女「リーナ」と護衛の騎士たちは、正体不明の一団の襲撃を受け壊滅の憂き目にあったところを、流れの傭兵「ダール」に助けられる。
>何があろうとも任務を全うしようとするリーナと臨時護衛に雇われたダールは、妖魔をかわし、夜盗を退け地図作りの旅を続けていく中で宮廷の陰謀を掴むのだが、時を同じくして辺境の迷宮に眠っていた強大な何かが目覚める…。
>正統派ファンタジーの新鋭が贈る「本格マッピング・ファンタジー」。

川口士先生が一迅社で書かれている作品ですね。
川口先生といえば今は一般的には「『魔弾の王と戦姫』の川口先生」って感じかと思うのですが、私的には今でも「『ステレオタイプ・パワープレイ』の川口先生」です。
いつまでも「あの川口先生って同じ新人賞の後輩なんすよwww」と言い続けてやるぜ!(ウザい

というのは、ともかくとして。
世界観としてはまぁまぁオーソドックスなファンタジーなのですが、物語の目的が「地図作成」というのが珍しくて面白いところですね。
こういう一見変わった目的って往々にしてただのバトルものになったりするものなのですが。
本作はそんなことはなく、まさしく謳われている通りの「本格マッピング・ファンタジー」です。
地図作成場面も適当にやってるわけでもなく、凄くキッチリ調べられてる感がある。
まぁぶっちゃけ私は地図作成の技術なんてさっぱり知らねーわけなので、本当にその記載が正しいのかどうかなんてのはわからないわけなんですけども。
しかし、少なくともそんな素人を十分に納得させ得るだけのハッタリは効いてると思います。

ほんで、主人公であるリーナさんの能力も「地図作成」というのがいいですね。
かなり高度な地図作成能力を持っているのですが、それも何かしらのチート的なアレがあるのではなく「好きだから見よう見まねでやってたらいつの間にか凄くなってた」というのもまた。
更に、リーナさんは地図好きではあるのですが、ただの地図バカってわけでもなくてですね。
王女としてしっかり物を考えてるし、むしろ切れ者の部類です。
むしろ、作中で一番頭キレるんじゃない? というくらい。
単純な腕力で言えば作中最弱レベルなのですが、それもあって結構「強い」という印象です。

一方、単純な腕力的な意味で強いのが傭兵のダール君。
最初は、リーナさんはタイトルに名前を冠してるだけでダール君が主人公なのかな? と思うくらいの活躍っぷりでした。
もっとも、終盤になってやっぱリーナさんが主人公だなって思わされるのですけれど。
というか、ダブル主人公くらいの感じかな?

この……なんだろう、ヒーロー? リーナさんのパートナー? 相変わらず呼び方がわからん。
ともかく、ダール君。
こちらは、典型的な脳筋キャラ……かと思えば、これまたそんなこともないんですよね。
彼は彼で、しっかり考えてる。
というか、作中で基本的に考えてないというか、記号的なキャラが一人もいないんですよね。
それぞれがそれぞれの価値観を持っていて、それに従って考えた結果行動してる感が凄く出てる。
こういう、全員が「生きてる」感じがするのが川口先生作品の魅力の一つだと思います。

あと、地図作成という一見地味な……というか普通に地味な題材を扱っているにも関わらず、全く退屈じゃないんですよね。
まず、単純に地図ばっか作ってるわけじゃなくアクションもあるのです。
襲撃者もいるし、ドラゴンも出る。
インディ・ジョーンズ的な遺跡探検もあります。
遺跡といえば地図、重要ですしね。
そして何より、地図を作ってる中でもキャラの掛け合いが楽しいから全く退屈しないのです。

んで。
上述の通り、アクションもあります。
むしろ、後半はアクションの方が多いといってもいい。
それでも、この物語は地図を作る物語なんですよね。
最終的には地図がキーになってて、地図によって救われた人がいるというのが個人的に大変良かったです。

たぶん難しい題材だったと思うのですが、それが上手~く料理されている感じです。
派手さこそないものの、しっかりと作り込まれた良作だと思います。