どうも、はむばねです。
全く眠っていなくても、とりあえず布団で横になってしばらく目を瞑ってれば多少は回復した気になるのアレ何なんでしょうね。
実際回復してるのか、単なる気のせいなのか。
まぁ私の場合、何かしらの画面から離れる事に効果があるのかもしれませんが。
でも、ずっと本読んでた時でも同じ状況なんだよな……。
いずれにせよ、目が疲れているということか。
どんな体勢で本読んでても必ずあちこち凝ってくるし、疲れの来ない画期的な読書方法って開発されないもんですかね。
なんかこう、瞼の裏に直接投影するみたいな。
#目にはまったく優しくなさそう。


さて、どんだけ凝りに悩まされてもなんだかんだ読むよ!
というわけで今日も感想です。
今日も、結構ネタバレ注意かな?

首の姫と首なし騎士 (角川ビーンズ文庫)
睦月 けい
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-08-31)
売り上げランキング: 110,231


首を無くした騎士に、アンパンマンよろしく自分の首を与える姫というデュラハン的な物語。
……かと思ったらそんなことは全くなかったぜ!
うん、今回はさしもの私もそんな話ではないだろうなとは薄々思ってた。
実際は……。

大国フォルモント建国の英雄ジョセフの孫にして、有能な兄二人と美貌の姉を持つ末っ子姫シャーロット。
本を愛するインドア派で弱コミュ障、これまで数々の政略結婚の相手に失望されてきたシャーロットに父王が命じたのは、多少は男の趣味に興味を向けるよう狩りに行けとのお達しだった。
ただえさえ気乗りしない中、更に問題なのは騎士アルベルトお付きとして付けると言われたこと。
建国を巡る戦時中、敵を笑いながら首チョンパしまくったおかげで付いた名が「首なし騎士」。
彼が唯一主君と認めた建国王は既に没し、目下「抜身の凶剣」と化している男である。
そんなアルベルトさんを伴っての狩りは、途中でオーガに遭遇するという(大)トラブルこそあったものの、どうにか首チョンパされることなく帰還成功。
しかしその直後から、アルベルトはシャーロットの護衛役として常に傍にいることを申し出たのであった。
その理由を、彼は「次の主候補、すなわち王候補として相応しいかと見極めるため」だと言う。
王になる気もなれる気も更々なかったシャーロットは断固「相応しいわけがない」との方向で押し切ろうとするも、アルベルトの意思は変わらず。
「首なし騎士」が常に傍に付き添うワクワクしないドキドキな生活が、こうして幕を開けたのである。
あくまで「王の資質」こだわるアルベルトの真意、そしてその背景とは……?

……という感じでしょうか。
うん、なんかいつになく真面目にあらすじ書いた気がするな。
いや、なんか事前読んだ簡易なあらすじとはちょっとイメージ違ったかなーと思ったんで。
私なりに、導入部分をちょいまとめてみました。

ちなみに、帯にはでかでかと「ミステリ風王宮物語」ってキャッチフレーズが書いてあってですね。
ミステリ風って何やねん、と思いながら読み始めたわけです。
んで、かなり終盤までミス……テ……リ……? って感じで読んでたんですが、最後まで読んで思いました。
なるほど、これはミステリ風だわ。
なんかミステリの方向性が最終的にインディ・ジョーンズとかあっち系に飛んでいった感もありますけれど。
アルベルトさんがあくまで「王の資質」にこだわる理由……はまぁ、割と早々に出てくるんでぶっちゃけとくとジョセフさん(シャーロットさんのじーさま)から受けた任務なわけなのですけれど。
なぜ初代国王がそのような任を命じたのか、そして今や「抜身の凶剣」アルベルトさんはなぜじーさまの死後もその命を守り続け国に留まっているのか。
王たる証「クラウン」に隠された謎、「王の資質」に隠された力、そして更にはかつてじーさまが打倒した先国オーランドの成り立ちの秘密までが明らかになっていく……!

……お、おぅ。
いつの間にかまたあらすじ書いてもうてたわ。
読書感想文の大半をあらすじで埋める小学生か。
まぁ何が言いたいのかと言うと、前半あんまそんな感じしないけど、ちゃんと謎解きの要素はあって、割とすっきり解明してくれてますよって話。
恐らく誰も気にしていないだろう点を、こんなに長々と書く意味はあったのだろうか。


んで、こっからは大体いつも通りの感想に移ります。
前置きクッソ長かったな……。
ただ一応この前置きを書いた理由もあってですね。
私がこの物語に対して思ったことの一つに、「あ、美しいな」というのがあったんですね。
雰囲気とかイラストとかじゃなくて、構成が。
なんというか、作中で出てくる大体の事にちゃんと理由が説明されてるんですよね。
その人がなぜそういう考えを持つに至ったのか、なぜそんな言動を取っているのは、なぜそんな性格になったのか。
そういうのがキッチリ説明されてる。
その最たる例が所謂敵役の性格のお話で、本作にも主人公に嫌な感じで当たってくる人物やらがいます。
多くの物語では単に「そいつの性格がクソだから」という理由で流している部分を、「なぜそんな性格になったのか」までキッチリ説明してくれているのですね。
なんつーかですね、この物語のためにポッと人物が生まれ出てきたんじゃなくて、その人にはこれまでの人生もちゃんとあったんですよ、というのを感じさせてくれます。
また、主人公シャーロットさんは引きこもり気味のやや対人恐怖症気味的な説明されていましてですね。
しかし作中ではむしろ他の人から恐れられまくっているアルベルトさん相手に割と普通に話してるし(途中で「慣れた」とはいえ)、夜中に部屋抜け出すアクティブさあるしで、「引きこもり……? 対人恐怖症……?」と疑問を持ちながら読んでいたのですが。
これにもある種のトリガーがあって、でもってそのトリガーは過去の出来事に起因していて、その過去の出来事はクラウンの秘密、ひいては王の資質の秘密、そして先国建国の秘密にも繋がっており、なるほどこれは綺麗に伏線回収してきたなと思いました。
もっとも、普段ミステリーとか読まねー私がそう感じてるだけなので、そっち系が好きな方がどう感じるかは不明ですが。
#そもそも、最終的な解そのものについて納得いかない方もいそうだなって感じはします。


……はい、えー。
本当はここからが各キャラへの印象やら主人公組の関係などに関する本番の感想をと思っていたのですが、既にクッソ長くなった上寝不足の脳が限界を迎えてきたので残りの感想は三行でまとめます。
・全体的に、やや堅苦しい感じがするのに軽快という不思議な読み心地
・恋愛要素はかなり薄め? と見せかけて、アルベルトさんロリk(ry疑惑
・お兄様はシスコンに見け掛けた何かだと思ったらシスコンに見せかけた何かに見せかけたガチだった

ホントにあらすじで誤魔化す感想文みたいになったな……。
しかし、これも続刊あるのか……。
どうするんだろうという意味で気になる系ですね……。