・「ナイファンチ」で頻出する横方向への前交差運足と
・「ピンアン」で頻出する三歩前進の歩み足運足。

この二つを組み合わせると、敵に正中線を晒すことなく、ダダダッと“縮地”でき、距離を取るスピードのある相手に突きを決められるのではないか。

今日は、できていない身体操作が、できると仮定して妄想してみました。



左前の真半身撞木立ちで構える。自分の身体は、すべて前手の陰に。

後ろ足(右足)を前に運び前交差点。
左足を引き抜いて前進し前手突き。
ナイファンチの所謂「背刀受け」の動作。無想会では攻撃。

相手との距離は、この前手突きが、やっと相手の前手で受けられるくらいをイメージ。

つまり、ナイファンチの前交差運足だけでは全く捉えられない距離。しかし、相手の防衛圏には入り、つい反応したくなるくらいまでは迫れる距離。

相手の反応を微かに誘ったところで、左足を着地させると同時に、ピンアンの(三歩前進の時の)歩み足。

最初の踏み込みの勢いのまま、後ろ足を大腰筋で引き抜き、腸骨筋で閉じ、身体を左右に割って引き戸のようにずらして、落ちながら後半身(右半身)を前に送る。そして送った右半身で前手(右手)突き。

相手が、こちらが放ったナイファンチの前交差運足の左手突きを払おうと、反応した前手(左手)の外(あるいは上)を通って入る我が右手突き。ちょうど顔面を捉える距離。

この歩み足は、 相手の右手突きでは応戦できない軌道(相手の左手の外側)を通るはず。

しかし、安全のため、今や後半身となった左半身側の手(左手)は、掌を外に向けて我が頭部の側面に。

カタチとしては「弓突き」風。
しかし、身体の中身の使い方は、ピンアン初段の第一挙動。

ピンアン初段ゆえに、右手突きが相手を打ち、右足が着地すると同時に、今度は右半身前の半身のままで左手が相手に飛ぶ。
その際、ピンアン初段故に右手は左手とクロスして我が頭部を守り、その直後に拳槌として相手の頭部に飛ぶ。

・・・

もしも当たれば、ピンアン初段なので、そのまま右手で頭部を掴んでねじって、後頭部に膝蹴り。

相手がバックステップしていたなら、そこから再び、ナイファンチの前交差運足。今度は前半身が前なので、後ろ足は左足。交差して、右足を引き抜いて前手(右手)突き。

それでも届かなければ、前進の勢いのまま、後ろ足を引き抜いて畳んで割った身体を引き戸のようにずらして落ちて前手(左手)突き。



繰り返しとなりますが、身体操作ができていないことは棚に置き、できてるつもりで妄想(笑)。

ナイファンチの前交差運足は、半身を保った守りの堅い攻撃前進ですし、動歩行と静歩行の虚実によって相手を騙せる歩方(のはず)ですが、(一歩だけでは)遠い相手には届きにくい気がします。

歩み足運足は、移動距離は抜群ですが、最初の動作に使うには(身体を割って引き戸のように使えば相手は反応しにくいはずですが)やはり動きが大きい気がします。

両者の長短を考えると、
初動はナイファンチ前交差で仕掛け、相手を反応によって多少居着かせてから、次にピンアンの歩み足で相手の想定を越える大きな踏み込み、
が良さそうな・・・。

今は、自由に応用するずーっとずっと手前の段階。
型に自分を嵌め込んでいく段階なのは重々承知しつつ、『沖縄武道空手の極意2』を再読していたら、妙に自由な気分になって、妄想を膨らませてしまいました。



思い出してみると、このコンビは、以前にも近いのを妄想していました。

でも、無想会の撞木立ちでの真半身の身体操作が加わったことで、かつての妄想とは、また雰囲気が異なる妄想になっています。

身体を動かせるようになったら、“使える”か、検証してみたいものです。