棒術の基本は「袈裟打ち」と思い、一人稽古では、踏み込み袈裟打ちを基本に打ち込みをしています。

最初は、DVDの影響で奥手側の棒を脇下にぶつけるスタイルでの袈裟打ちでした。しかし、それでは、どうしても脇が痛く思い切り触れない・・・と悩み、山根流棒術の存在を教えていただき、大城先生の言う“体を捌き、棒の通り道を作る打ち方”を試して、ある程度納得できる袈裟打ちに達しました。
少なくとも、棒を叩きつけるような袈裟打ちであれば、体に負担無く思い切り打ち込めるようになりました。

しかし・・・
最近は、大城先生の「周氏の棍」の動画をお手本にしながら、「大城先生の袈裟打ちには、二つの異なるタイプがある?」と、気になり出していました。
ある時は棒を打ちつけるような袈裟打ち、ある時は、棒の先端で突くような袈裟打ち。
自分が行っている打ち方は前者ですが、後者もできなければいけないのでは? と感じつつ、手がかりが欲しいなあと思っていました。

そして今日、その二つの異なる袈裟打ちが、ちゃんと動画の中で解説されていることに気がつきました。灯台下暗しというか、自分が参照していた動画のpart 1に、実はちゃんと収録されていたんですね・・・。ちゃんと飛ばさず見ろよ!と自分に突っ込みを入れました。

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Yamani bojitsu vol.1
http://jp.youtube.com/watch?v=Cr_tEJA5N8M&feature=related

<1>打ちつける袈裟打ち

まずは、私が行っている棒を打ちつけるような袈裟打ちから。
こちらは、「basic」と表記されておりました。

打つ袈裟打ち01

打つ袈裟打ち02

打つ袈裟打ち03
両手は肩の高さ。

打つ袈裟打ち04

打つ袈裟打ち05
ポイントはこの瞬間です。
両手が共に腰の高さまで下りておきており、
まさに重力を使って棒を叩きつける動作になっています。

打つ袈裟打ち06

打つ袈裟打ち08


<2>突く袈裟打ち(正面から)

次に、私にはできない突くような袈裟打ちです。
こちらは「advanced」とあります。やっぱり、上級技なんだ・・・。

突く袈裟打ち(正面)01
basicと違って、右手があまりい奥まで行っていません。
肩より前にある感じです。

突く袈裟打ち(正面)02
この瞬間は、basicの打ち方ではスピードが乗るところですが、
advancedでは、動作にあまりスピードは乗っていません。

突く袈裟打ち(正面)03
スピードが乗るのはこの瞬間。
前手(右)を前に出す動きと、奥手(左)を腰の高さから上げる動きが連動し、

突く袈裟打ち(正面)04
棒を真っ直ぐ突き出す動きを作り出しています。
basicの袈裟打ちと全く異なる極めの瞬間です。

突く袈裟打ち(正面)05


<3>突く袈裟打ち(側面から)

同じく、advancedの突く袈裟打ちを側面から見たシーンです。

突く袈裟打ち(側面)01

突く袈裟打ち(側面)02

突く袈裟打ち(側面)03
この瞬間。
basicでは、手刀鎖骨打ち的な右手の動きなのに対し、
advancedでは、正拳突き的な右手の動きです。

突く袈裟打ち(側面)04
突き出す右手。

突く袈裟打ち(側面)05
実は左手も前に出ています。
basicでは、帯の結び目辺りにある左手が、右脇よりも前です。

突く袈裟打ち(側面)06
突きが決まった瞬間。
まるで諸手突きのようなカタチです。
(→棒の突きとナイハンチの歩法

このとき、左手側の棒は脇に当たっています。
しかし、棒全体が突く動きになっているため、
棒の脇への激突のインパクトはかなり小さいことが見て取れます。

むしろ、脇で左手側の棒を押さえることで、
突きの軌道を調整しているようにも見えます。

打ちつけるなら(痛いから)袈裟打ちなら脇にあてるな突く袈裟打ちなら(突きの軌道を調整するためにも)脇にあてろ、ということでしょうか。

 * * *

さて、basicとadvancedの違いがようやく分かったので、意識して一人稽古するようにしているのですが、advanced、つまり突くタイプの袈裟打ちは難しいですね。しっくり来る動作ができるようになるまで、しばらくかかりそうです。

<追記(2008/8/18)>
今日(8/17)一日、オリンピック中継を見ながら、「突く袈裟打ち」を練習していたら、段々しっくりくるようになってきました。
右手は真っ直ぐ突き出し、左手は右手と右手側の棒の先端が真っ直ぐ突き出せるように後押しする感じ。
左手側の脇への棒の衝突ですが、突く瞬間に左手も一緒に突き出す動きを意識すると、音はするもののほとんど痛くない感じになります。なんだか、よさそうな気がします。