原油価格の急落は新たな「石油戦争」の引き金となるか | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

原油価格の急落は新たな「石油戦争」の引き金となるか

今週、来週は経済団体が主催する新年会が目白押しです。

いくつかの会合に出席しましたが、原油価格の下落がもたらす地政学的リスクについて懸念する声が気になりました。

政府を含め、大方の見方は日本経済にとってプラスとのようですが。

昨年の夏からあっという間の半値です。

本日、WTI(テキサス産軽質油)の2月渡し価格はバレルが47・93ドルとなり、5年8か月ぶりの安値。

これではOPECの産油国はもちろんロシアも経済危機に陥りかねません。




最大の産油国サウジ・アラビアの場合には1980年代にバレル10ドルを割った時に減産に踏み切ったために市場を失った苦い経験から、今回は頑なまでに減産を拒否しています。

もちろん、サウジには潤沢なオイルマネーの貯えがあるから大丈夫ということでしょう。

問題はロシアです。




ウクライナ危機をきかっけに欧米からの経済制裁を受け、苦境に立つプーチン大統領。

このままではルーブルも崩壊しかねない雲行きです。

国家存亡の危機にどのような手を打ってくるのでしょうか。

最も手っ取り早い打開策は戦争かも知れません。

舞台は中東かリビアあたりとのウワサがもっぱらです。

そうなれば原油価格は一気にバレル100ドルに跳ね上がるはず。

実は、新年会の華やかな会場のあちこちで、そんなシナリオが投機筋を中心にまことしやかに囁かれています。

浮かれているわけにはいきませんね。