駐日イラン大使は日本人?
今日は駐日イラン大使のアラグチ氏の送別会に出席した。
「アラグチ」というと、何となく日本語的な響きがあるが、100%イラン人である。
ご本人は日本が気に入り、「新久地」という漢字を好んで使ってきた。
しかも英訳するとNew Eternal Land(新たに発見した永遠の土地)というわけだ。
「それはどこか」と聞くと、当然のごとく「日本」との答え。
実にユーモアあふれる外交官である。
日本とイランの間には時に核問題等をめぐり激しい言葉のミサイルが飛び交うこともあるが、最後にはお互いより高いレベルでの友好と協力関係を目指し、矛を収めてきた。
そこには4年近く大使を務めてきたアラグチ博士の存在が大きく影響していたと思われる。
3月11日の大震災発生以降、イランは日本に対し救援物資として5万個を超える缶詰を送ってきてくれた。
しかも同大使はイラン人の大使館員を料理人に仕立て、何度も被災地を訪ね、イラン料理を提供してくれたのである。
大使夫人のバハレーさんも日本の復興を願う祈りの絵を描き、被災地の人々を励ますのに一役買ってくれた。
ありがたい限りである。
そんな夫唱婦随の外交官カップルが日本を去ることになり、大勢の友人、知人が別れを惜しんだ。
主義主張や国家としての立場の違いはあるものの、気骨のある大使の代表格といえる「新久地」氏。
テヘランでの再会を約束して会場の大使公邸を後にした。