世界の海底資源開発に及ぶ中国の金融力 | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

世界の海底資源開発に及ぶ中国の金融力

中国の金融力が急速に高まっている。


東日本大震災の被災地復興に際しても、地元金融機関や都市銀行の出足が鈍い中、中国の銀行や政府系投資ファンドの活発な動きが目につくようになった。


欧米の金融界で経験を積んだ投資のプロが次々と中国に呼び戻されている。


実は、次期国家主席就任が確実視されている習近平氏は「今後10年以内に金融面でアメリカを凌駕する。そのためにも中国国内における政治経済面でのハードランディングも辞さない。どうやら日本の政界にも経済界にもそうした覚悟が足りないようだ」と述べている。


「太子党」と見なされることの多い習氏であるが、側近によると、「文革時代の下放経験を忘れておらず、大胆な改革を推し進める構想を温めている」とのこと。


実は、先に日本が太平洋の海底78か所を探査し、広大なレアアースの存在を確認したばかりであるが、習氏の肝いりもあり、中国は独自開発した世界最深の探査能力を有する潜水艇「蛟龍」を駆使し、世界の海底資源の調査に乗り出した。


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日本を尻目に、国連の国際海底機構(ISA)に申請し、こうした海底資源の開発権を入手する手際の良さを見せている。


一般の目の届かない深海の世界では中国の国旗が次々とはためくようになってきた。


これもすべからく中国の金融力があってのこと。


わが国を訪れる中国の政府要人と会うたびに「日本は大丈夫か。復興債を出すなら支援を惜しまない」とまで言われるようになった。


ありがたい限りだが、足元を見透かされているようで、一抹の不安感もぬぐい去れない。


「開かれた復興計画」に中国が何を求めているのか。


油断のない情報収集と分析が欠かせない。