『64ーロクヨンー後編』(2016年) #ロクヨン映画感想 | HALUの映画鑑賞ライフのBlog

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前編を試写会で鑑賞後、すごく後編に期待を持たせる前編だったので、ちょうど1ヶ月前の先月の公開初日に満を持して、後編の劇場観賞に臨みました。

 

「ミステリー色よりもサスペンス度が高い後編(16.6/11・劇場)」

ジャンル:サスペンス

製作年/国:2016年/日本

配給:東宝

公式サイト:http://64-movie.jp/

上映時間:119分

公開日:2016年6月11日(土)

監督:瀬々敬久

出演:佐藤浩市、綾野剛、榮倉奈々、瑛太、三浦友和、永瀬正敏、吉岡秀隆、仲村トオル、椎名桔平、滝藤賢一、奥田瑛二、夏川結衣、緒方直人、窪田正孝、坂口健太郎、筒井道隆、鶴田真由、赤井英和、菅田俊、烏丸せつ子、小澤征悦、金井勇太、芳根京子、菅原大吉、柄本佑ほか

 

 

※尚、前編の感想については、先ずはリブログ記事を参照下さい。

 

僅か7日間だった昭和64年に起きた少女誘拐殺人事件から14年後の平成14年12月11日。時効が迫りくる中、事件の真相に迫る刑事達の男臭い骨太な物語の「慟哭の後編」が幕を開ける。

 



前編は、誘拐事件自体よりも、主人公・三上(佐藤浩市)や、被害者家族を始めとする事件関係者の人物像描写、匿名報道をめぐる主人公と記者クラブとの確執といった人間ドラマを丁寧に描こうと終始した感がありました。しかし、後編を観て、前編での丁寧な人物描写を踏まえないと、後編での彼らの各々の行動は理解不可能である事は、前後編を観た御方々にはご納得頂けるかと思います。

 



前編のラストで発生した14年前の誘拐事件の模倣事件(?)に、主人公は、前編同様、警察内部の権力闘争、隠ぺい体質、匿名報道を巡る新聞記者達との確執など、様々な障壁に阻まれながらも、主人公の流儀で、不器用ではありながらも、熱く、泥臭く、事件の真相に迫っていく。そして、ついに、犯人に辿り着くのですが、それで物語は終わらない。

 



主人公・三上の行動や事件関係者の<ロクヨン>事件の真相究明の方法は、観てからのお楽しみということで、「ここまでやるのか」、「凄過ぎる」という程度に留めますが、前述したように、前編で、各々が抱く誘拐事件への並々ならぬ想いがしっかり描かれていたので感動も出来、ついつい胸が熱くなりましたね。

 



<ロクヨン>事件模倣犯の被害者家族の目崎(緒方直人さん)による身代金受け渡しシーンはカーチェイスの様でもあり、スリルがあって迫力満点でしたね。
模倣犯との身代金支払い場所の変更に翻弄されながら、必死で犯人を追い詰めようとする捜査陣と、広報官という任務を全うするために、その情報を記者達に伝えようとする主人公・三上の姿が臨場感たっぷりに描かれていましたね。

 



後編も、前編同様に、豪華俳優陣の競演であり、特に、佐藤浩市さんは、前編に引き続き渾身の演技で存在感十分。ただ、三上義信(佐藤浩市さん)はあくまでも広報官という立場でありながらも、後編では「現場」に同行していきながら、徐々に「刑事」と化していく様子を観ますと、職務分掌的には、果たしてあれで良いのかとも思われるくらいの行動でしたね。

ただ、現行犯逮捕については憲法においても警察権を持たない一般国民にも権利付与しているくらいなので、多少はあの様な描き方であっても良いのかも知れないですね。

 


そんな中、異彩を放ち、かなり役得だったのは、捜査2課長役の柄本佑さん。不慣れな記者会見を押し付けられ、最初はオドオドして記者達の質問にタジタジになっていましたが、次第に開き直り、記者達と対等に渡り合うまでにもなり、一件落着した後は、緊張が解けて、記者会見場で気絶。いち端役の脇役ではありながらも、そのインパクトはかなり強かったですね。

 

 

やはり、後編は何と申しましても、<ロクヨン>事件における被害者家族の雨宮芳男役を演じた永瀬正敏さんの「執念の父親像」といった迫真の演技に尽きましたよね。

今年の邦画界の各映画賞の助演男優賞にも値する演技だったと思いましたね。

 


私の場合には、あいにくと原作未読なので原作のラストは知りません。原作既読者の御方々から聴いた話によりますと、原作にはないラストの追加で、その点が「丁寧に描かれていて良かった。」という意見も多く目にしましたが、このラストの追加のくだりを蛇足と観るのかどうかで、今作への評価が大きく変わって来るのかも知れないですね。

かく言う私も、やや蛇足気味にも感じましたが、ラストの追加に関しては、モヤモヤ感が残らずに良かったかとは思いましたね。

ただ、更に贅沢を申せば、行方不明の三上夫妻の娘・三上あゆみ(芳根京子さん)の一件も何かしらの進展が欲しかったとも思われましたね(汗)。

 

 

私的な評価と致しましては、

ミステリー色自体は、早々に<ロクヨン>事件の真犯人像が解ってしまう点から、やや劣るかもしれないですが、カーチェイスシーンなどスリルとサスペンスが溢れる後編で、私的には前編以上に面白かったですね。

前編が四ツ星の★★★★(80点)の評価でしたので、今回の後編は、四ツ星半のほぼ満点の★★★★☆(90点)の評価とさせて頂きます。

 

●映画『64ーロクヨンー前編/後編』予告編2

 

 

 

 

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今回も最後までブログ記事をお読み下さり有り難うございました。