asahi戦前にカナダで実際に存在した日本人野球チームの実話。カナダへの日本人移民の話はあまり聞いた事がないが、実際にこの映画のように多くの日本人が豊かさをもとめて異国の地へ渡ったのだろう。
この作品を見てまず驚かされるのは、野球場を含む巨大なオープンセット。実際に50棟ものビルや建物が建てられたというから力の入れ方が違う。そして、豪華なキャスト人。妻夫木聡、亀梨和也をはじめ、佐藤浩市、宮崎あおい、貫地谷しほりなど、人気の映画俳優をキャスティングしている。
物語は日本人野球チームが逆境の中、日本人移民の希望となり、カナダ人との心の架け橋になっていく話である。松下幸之助の言葉の中に「順境良し、逆境さらに良し」という言葉があるが、まさに逆境での創意工夫によって日本人による「頭脳野球」が生まれ、日本人移民の希望の星となっていくさまが描かれている。これだけの現実のドラマがあれば、それなりの映画になって当たり前のように思うが、本作はそれがプレッシャーになったのかもしれない。全編を通してに説明的でテンポが悪い。無駄なカットも多く、少し残念な出来であった。もう少しテーマを絞り込むべきで盛り込み過ぎ、記録をなぞった再現フィルムのようであった。唯一、エミー役の高畑充希がいい演技をしていた。(★★★☆)

◎バンクーバーの朝日