救いたい震災はまだ終わっていない。映画「救いたい」は震災から3年半経過した今、被災者を支える医療の現場からその苦悩とこれからを描いた秀作だ。
震災で、家族や家を失った人々を医師として支えると決めた川島(三浦友和)。それを支える麻酔科医の妻(鈴木京花)。厳しい現実の中から、被災地の今が見えてくる。
震災を扱った映画はいくつかあったが、ここまで丁寧に人々の暮らしから描いた作品はなかったのではないだろうか?それぞれのエピソードが一つの物語として見事に編集されていた。脚本もとても良かった。

苦しい仮設住宅での暮らし、ぬぐい去る事ができない心の傷。そういった状況の中からこれからを考えて生きていく事。日本人としての絆が試される。決して人ごとではない。
「人間は強い。」三浦友和の言葉が心に残った。(★★★★)