tenor
映画「ザ・テノール」は100年に一人の声を持つテノールといわれた歌手ベー・チェチョルの実話の物語の映画化だ。真実は小説より奇なりというが、まさにそれを実感する作品だ。ベー・チェチョル役にユ・ジテ、それを支える日本人音楽プロデューサーを伊勢谷祐介が演じている。
歌手にとって声を失う事はどんなにつらく苦しい事か。とても想像もつかないが、本当に彼の音楽を愛する人たちの力によって、奇跡がうまれるのである。
音楽をやる人間にとって、聞いてくれる人がいる事がどれだけ重要であるか、一人でも聞いてくれる人がいるならその人のために音楽を続けたい。そんな気持ちはなんとなくわかる。
音楽は演する人とそれを聞く人がいて、初めて成り立つものなのだ。
舞台で歌いたい、しかし以前のような声は出ない。そんな葛藤の中で歌う再起の歌。涙があふれます。
この作品は日韓合作という形式をとっているが、英語や韓国語で話される事が多く、国際色を感じる作品になっていた。伊勢谷祐介の英語、英会話のコマーシャルをやっているだけあって、発音、奇麗でした。(★★★☆)