4S
君の瞳に恋してる、シェリー。フォーシーズンズの事は知らなくても誰もが一度は聞いた事のある曲だ。正直私もこの映画を見るまではあまり彼らの事は知らなかった。映画ジャージー・ボーイズは、そんな名曲の誕生を描いた愛と友情と音楽の物語だ。
その成功の影には当然、裏切りや挫などさまざまな困難があるのだがその描き方がとてもうまい。
伝記的な映画は、間延びしてしまったり、有名なエピソードのカットを強引に挿入したりするケースが多いが、この作品においてはその辺りを実に見事に編集で対応していた。
特に面白いとおもったのは、通常バックで音声として流すナレーションを、登場人物がシーンの中で突然カメラに向かって直接語りかける手法だ。この手法によって、インタビューのようなリアリティを感じさせられる。無駄なカットも減り、語りで経緯が理解出来る。このあたりはさすが、クリント・イーストウッド監督といったところだろう。
途中、エド・サリバンショーが出てくるが、この辺りは音楽ファンにとってはたまらないシーンではないかと思う。
もちろん主演のジョン・ロイド・ヤングの歌声もすばらしさは文句なし。フォーシーズンズの音楽を充分楽しめる。
そして物語は大団円を迎えるわけだが、これが憎い演出となっている。エンドロールも作品の一部になっていて、最後まで観客を飽きさせない。(★★★★☆)