wj
矢口史靖監督最新作、WOOD JOBを見てきた。今度のテーマは「林業」という事だが、基本的なテイストはいつも通り。監督ならではの鋭い視点で林業とは何かについてを訴えつつ、日本の文化や林業に携わる人々の暮らしや生活、生き甲斐についてもしっかり描いている。
私が一番印象に残ったのは、林業という仕事の特異性についてだ。林業は農業などと違って苗を植えてから収穫まで何十年とかかるため、自分が植えた木を自ら収穫する事はほとんどない。そこから見えてくるのは、林業というものが、資産や財産を後世に引き継いでいくものであり、それは山と共に生きる、自然と共存していく仕事であるという事。
親から子、子から孫へ引き継がれていかなければならない大切な事。将来のため、後世のために今を生きるという責任や使命のようなもの。そんな事を私たちに伝えようとしているのだろう。

見所は主演の染谷将大が、林業に触れながらその世界に魅了され責任のある大人に成長していく姿。キャストで印象に残ったのは、伊藤英明。もう何年も林業に従事しているような感じだった。長澤まさみも山に生きる意思の強い女性をしっかり演じていた。(★★★☆)