dalas
今年のアカデミーで主演男優、助演男優を獲得した「ダラス・バイヤーズクラブ」を見てきた。あえて何の予備知識もなく見に行った。冒頭は、自由気侭なカウボーイがHIVに感染して余命30日を宣告され、残された人生をどう生きるか?といった流れであったが、ところがどっこい、そこから先は実に社会的な問題を抱えた大きなテーマが仕込まれていた。
それは、製薬会社と医療機関の利害が絡んだ、社会的、倫理的な問題だ。映画の舞台になっている1980年代後半にはエイズに効く効果的な薬がなく、多くのHIV感染者がエイズを発病して亡くなっていた。クイーンのフレディもこの頃エイズを発病している。
主人公のロンは当時特効薬と言われていた臨床実験中の薬を裏ルートで入手するが、副作用がひどく良くなる気配がなく途方にくれる。そんな中メキシコで未承認の治療薬を見つけ、自ら投与し、その効果を実感する。ロンは会員制のバイヤーズクラブを立ち上げ、アメリカで苦しむ多くのエイズ患者のためにこの薬を仕入、販売を始めるのだ。
やり方や動機がどうであれ、彼の行動によって多くの人が救われ、その後の活動によって、社会を動かす。
この物語は実話をもとにしているが、このような問題は大なり、小なりいまも存在しているのだろう。抗がん剤しかり、タミフルしかり。(★★★★)

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