芸術に恋して★Blog★-フロスト×ニクソン フロスト×ニクソン を見た。この映画は真実を隠すために辞任した第37代アメリカ大統領リチャード・ニクソンに、イギリスの名司会者デビット・フロストが、タレント生命をかけ、単独インタビューに挑む史実に基づいた物語だ。

ニクソンを合衆国史上初めて現役大統領の辞任のきっかけとなったウォーターゲート事件。アメリカ政府の違法な盗聴活動の摘発によって始まったこの事件は5人の逮捕者を出し、国防総省の対ベトナム秘密文書が明らかになるなど一連のスキャンダルが明るみになった。

この映画のみどころは、最上級の策士ニクソンと、フロストとのジャーナリズム対決である所は言うまでもないが、それ以上に、インタビュアーとしてのフロストの真実をあきらかにしたいという思いと、人間ニクソンの政治家としてのプライドや心情といった精神的な駆け引きの部分がとてもおもしろい。

アメリカ大統領も一人の人間であり、人としての良心がある。政治家としての正義がある。
アメリカ大統領という責任とプレッシャー、ベトナム戦争の問題など、多くの圧力が彼にのしかかっていたのだろう。
ニクソンの事は顔が大きくゆがんでいたぐらいしかほとんど記憶にないが、この映画を見ておぼろげながらその当時の世相を思い出した。(★★★★)