芸術に恋して★Blog★-ロレンス
アラビアのロレンス 」ニュープリント完全版を見た。アラビアのロレンスは何度もテレビで放映されていたように記憶しているが、長いのでまともに見た記憶がなかった。
今回の上映はデビット・リーン監督生誕100年を記念したものであり、第35回アカデミー賞7部門獲得の超大作だ。

なんといってもこの映画のスケールの大きさには驚かされた。あの広大な砂漠での戦闘シーンや設営のシーンなどは、撮影の苦労を思うと恐ろしくなる。また、砂漠の造形や、太陽と月、海と空、らくだと影など、なんとも言いようのない美しい映像には、おもわず息をのんだ。

第一次世界大戦時の中東、トルコの圧政に苦しむアラブ、ドイツトルコ同名に対抗しようとアラブに加勢するイギリス。そんな勢力争いがアラブの砂漠で繰り広げられる。

アラビア情勢に詳しかった考古学者のロレンスは軍の指令により、トルコに反乱を企てるアラビア遊牧民のベドウィン族の加勢し、トルコ制圧のための諜報工作員としてひとりアラブに向かう。

この作品のスケールの大きさ以外のもう一つの見所はなんといってもロレンスを中心にした人間ドラマである。
ロレンスは平和主義者であり、戦略家であった。現実と個人的な思想との間で葛藤するロレンス。勢力が強くなるにつれて、彼の苦しみは増していく。イギリスのもくろみとアラブの独立の間にはさまれ、精神的にも追い込まれていくが、人としての彼の信念の強さが、大きな支えとなってこの試練を切り抜けるのである。

最近はCGやVFXなどで風景や造形を映像化する事ができるが、今から50年前に全て実写でこれだけの映画を完成させた事に感動です。(★★★★)

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