この春から、週刊将棋では「レッスン日和」というコラムが連載されていますね。
各地で子供を指導されている先生が、おひとりにつき「上」「下」の2週間を1セットとして順番にそのレッスンのノウハウを紹介していくというもの。
コラムの話題の中心は
「駒の動かし方をどう教えるか」
「玉の詰まし方をどう教えるか」
「小さい子にどう教えるか」
といった点になるようです。
私にとっては今、将棋が強くなることよりも興味があるテーマなので、なるべく毎週目を通すようにしています。
先週(6月2日号)と今週(6月9日号)発売の週刊将棋のこのコラムは、広尾将棋教室 を主宰しているカリスマ指導棋士、飯島篤也先生の登場でした。
その指導法はユニークで、例えば・・・
1手詰めが無理な子にはまず「0手詰め」。
相手の玉の周りにいくつか駒を並べて、どの駒を使うと玉が取れるかを当てるというもの。
特に龍や馬は、最初、どこに動けるかがわかりづらいので、駒の動かし方を覚えるためには大変有効だと思います。
私もかつて飯島先生に直接0手詰めのアイデアを教えていただき、小学校で実践しています。
それから、順番に歩をついたり、やたら桂をポンポンはねたりして、なかなか大駒を活用することができない子供に、大駒を成ることや、龍と馬を連係させることを教えるための工夫には感心しました。
こういうのって、やはり十分な棋力をお持ちだから、たどりつける指導法なのでしょう。
私には考えもつきませんが、こうしたノウハウを知る機会があるというのは大変ありがたいことです。
他にも、40級から1級まで幅広く級位を認定して、昇級しやすくすることや、悪手であっても技術的なことは否定しないなど、指導棋士ならではの工夫が満載。
さらに感銘を受けたのは、今週号(下)の終わりの部分。
『「指すのは教室に来たときだけ」という子にも将棋を長く楽しんで欲しいと切に願っている』
将棋の楽しみ方は、早く強くなる、もっと強くなる、というだけではないんですよね。
飯島先生の指導には、強くなりたいと望んでいる子にはもちろんのこと、そうではなくて、まずは将棋を楽しみたいという子にも、丁寧に将棋の楽しさを教えてあげたい、という考え方が色濃く反映されているように思います。
私も、私の周囲にいる子供たちと、末長く楽しんで将棋を指せていけたらいいな、と思っています。