『 「産後の蘇生不適切」 女児の両親、病院提訴 』 | 脱奴隷小児科医の刹那主義

『 「産後の蘇生不適切」 女児の両親、病院提訴 』



さてと、多くのペタ、コメントありがとうございました。


次回の魚釣りはこどもの頃に叶わなかった夢を実現するべく、船に乗って船上からの釣りに
トライしようかと思っています。いままで船の上から釣りをしたことがないので、船酔いとか
するかもしれませんな。
吐き気止めの座薬、じゃなくて飲み薬でも持っていくとしますか。


魚釣りだけでなく、人生においても舵取りを求められているようです。


先日、勤務している病院より雇用契約に関して変更したいとの申し出がありました。
まさに驚愕の内容で唖然としましたね。

 【 病院からの要請があれば30分以内に出勤すること 】

これが新たに盛り込まれた契約事項です。
今までは、『時間外にも呼び出すことがある』という努力義務でした。
しかし、今回は強制命令です。
ちょっと信じられなかったので、はっきり聞きましたよ、努力義務なのか強制命令なのか。

もちろんオンコール(要請に応じるために自宅待機もしくは30分以内に出勤できる場所に
いる態勢を取り続けること)に対する報酬はありません。
現在私のオンコールは土日祝日年末年始含め、年間約半分の180日です。 

この契約書にサインをしてしまうと、身体的拘束・精神的拘束はもちろんのこと、

 【 30分以内に出勤することが出来なくて何か問題が起きた場合、私個人の責任に
   なる可能性が高い 】

ということです。もちろん昼夜問わずです。

さすがに世間知らずの私でも、これは相当ヤバイ契約であることは分かります。


そんなこんなで考えているとタイムリーな記事が・・・


 『 「産後の蘇生不適切」 女児の両親、病院提訴

   女児(1)に脳性まひなどの障害が残ったのは出産直後の蘇生処置が不適切だったのが
   原因だとして、岡山市に住む両親が1日、出産した岡山中央病院(岡山市)を運営する
   社会医療法人鴻仁会と担当医に約1億6千万円の損害賠償を求め、岡山地裁に提訴した。


   訴状によると、女児は昨年8月30日の出産時に心拍の異常があったのに、監視する
   装置が約1時間外されていた。さらにへその緒が首に巻きつき呼吸と心拍が止まって
   低酸素状態になり、要請を受けた他の病院の医師が約15分後に気管挿管で人工呼吸を
   したが、脳性まひなどの障害が残った。

   岡山市で会見した女児の母親(32)は「病院は過失を認め、スタッフがきちんと気管
   挿管ができるよう教育してほしい」と話した。病院側は「できる限りの処置をした」と
   過失を否定している。』


 とうとう来ましたね、恐れていた事態が。

 そろそろ私も潮時かなという感じですな。

 もし夜中に病院からの呼び出しに気付かず30分以内に病院に到着できなくて、ベビーの
 蘇生が遅れ何らかの問題が生じたら、私個人が訴えられ損害賠償を求められてもおかしくは
 ないですから。

 こちらの待機は無報酬のうえ、30分以内に病院に到着して蘇生して事無きを得た場合の
 病院からの報酬が1回につき1万円ですからね。病院から提示されている条件というのが。
 
 まあ、私も助産師さんや看護師さんにきちんとした蘇生技術を身に付けてもらえるように
 勤務時間外に勉強会や講習会を定期的に開いて地道な努力をしてきたつもりですが、
 焼け石に水といったところでしょうか。

 
  【 個人の医師や特定の病院に責任を求めても何の解決にもならない 】


 根本的な問題は政府の医療政策にあるのですから。
 
 
 
   ・・・・
 


 弁護士の方とも相談したのですが、さすがにこの契約書にサインする気にはなれませんな・・